PCB廃棄物処理の助成金について
先日相談のあったPCBを廃棄する際の助成金について。
戦後、最大規模の食品公害といわれた「カネミ油症事件」の原因となったPCB(ポリ塩化ビフェニル)。昭和47年からは、PCBを使用した機器は作られてはいませんが、それ以前はトランスやコンデンサーなどの様々な用途で使用されていました。
PCBは、水に溶けにくく、沸点が高い、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いといった特徴を持ち、科学的にも安定した性質で有用性が高い物質ではありますが、一方、脂肪に溶けやすいため、体内に蓄積すると、吹き出物、色素沈着など様々な症状を引き起こします。
カネミ油症事件では、身体に膿ができる、肌が紫の赤ちゃんが生まれるなどといったことが起こり、大きな社会問題となっています。
PCBは現在では、製造も輸入も禁止されていますが、当時の機器が未だに残っており、令和9年3月までに処分する必要があります。
処分もどこに委託していいわけではなく、高濃度PCB廃棄物はJESCOへ、低濃度PCB廃棄物は民間の無害化処理認定施設に委託する必要があります。
廃棄処分には、運搬料も含め数百万円かかることもあります。
高濃度PCB廃棄物の処分をJESCOに委託する場合は、費用の負担を減らすために、JESCOから費用の助成金がありますので、ぜひご利用ください。
低濃度PCB廃棄物の処分は都道府県が管轄になりますが、処分費用について助成金があるかどうかは、その都道府県によるようです。(ちなみに現在、関西ではないようです…)
助成金とは別に、保健所に保管状況、処分状況を届け出る必要がありますので、忘れずに行ってください。